ボール遊び

2006年9月19日 お便り
だいぶ前に聞いた話で、細部は違っているかもしれませんので、この話を
ご存知の方はご了承下さい。
場所は忘れましたが、あるキャンプ場でAさんと数人の仲間が焚き火を
囲んで、静かな夜をビールなぞ飲みながら楽しんでいたそうです。
そのうち夜も遅くなってきたので、そろそろ焚き火を消してお開きに
しようと言うことになったのですが、Aさんは小さな焚き火の炎に
照らされてうつらうつらするのが心地よく、一人残る事にしました。

まわりを見渡しても小さな女の子が一人ボール遊びをしているだけで
とても静かな夜でした。
でも、良く考えるとキャンプ場だとはいえ夜遅く女の子が一人で遊んでいるなんて
少し妙な気がして良く見てみると、暗くて遠いためかゆがんだシルエットでは
ありますが、間違い無く5〜6歳の女の子がボールを放り投げたり、
蹴飛ばしたりして遊んでいます。
Aさんはさほど気にもせず、また目を閉じてつらうつらしていたそうです。
しばらくして自分の横の草むらがガサッと音を立てました。
すると小さな声で”ボール・・”と言う女の子の声が聞こえましたが、Aさんは
そのまま目をとじていました。

すると今度は足音がAさんに近づいてきて”おじちゃん、ボール・・”といっています。
Aさんは「ああ、ボールを取ってくれと言っているのか」と理解しうつむいたまま
そっと目をあけると焚き火に照らされた女の子の靴が見えて、大きな声で
”おじちゃん!ボール!”と声をかけられました。
Aさんはハッとしました、大きな声をかけられたからではありません。
その声がAさんの横の草むら、ボールが落ちたと思われる場所から
聞こえてきたのです。

Aさんはハッとして顔を上げると、そこには頭が無く体の形が歪むほど
キズだらけの女の子が立っていました。
そうです、女の子が遊んでいたのはボールではなく自分の頭だったのです。

なんでもこのキャンプ場の近くで幼女のバラバラの遺体が見つかった
ことがあるということで、今でもこの場所には無邪気に自分の頭でボール
遊びをする女の子が現れるそうです。

「おじちゃん!ボール!!」

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