これは私の父が心臓の病気である病院に入院したとき私が実際体験したことです。
あれはもう3年くらい前の話です。私の父は心臓の病気で倒れ、とある千葉の
救急医療センタ−に緊急入院しました。当時1人暮らしをしていた私は、兄貴からの
「親父が危ない」との電話に、夜中の2時頃タクシ−でその病院に駆けつけました。

父は集中治療室に収容されており、医師に「覚悟をしておいて下さい。」といわれるほど
重症でした。まあ、おかげさまで父は驚異の回復力(医師もびっくりしてました)で、後遺症
も無く退院できましたが、集中治療室で治療を受けた10日間は家族が交代で病院に
泊り込み待機をすることとなりました。泊り込むといっても仮眠室などありませんから、
集中治療室の前にある待合場の長椅子に、持参の毛布に包まって仮眠を取るというものでした。

その日は、私が当番の日でした。いつものように仮眠を取ろうと思ったのですが、父の容体が
心配でなかなか寝付けずにいました。それでもやっとウトウトしだした時に、病院の廊下を
スリスリと誰かが足を引きずる音が聞こえてきました。私は最初、「患者さんが歩いているのかな」
と思いましたが、その足音はどんどんこちらに近づいてきます。

私は、「誰か私と同じような付き添いの人が仮眠を取りに来たのだ」と思い、そのまま寝ていました。
するとその足音は、私に向かって近づいてきました。
「何か話し掛けられるのかな?やっと眠れそうなのに面倒だな」と思っていると、その人が何か
ぶつぶつしゃべっているのが耳に入りました。

「・・むいんです・・て・・ださい。」

よく聞き取れないので、耳を澄ますと「寒いんです・・入れてください。」と繰り返ししゃべっていることが
分かりました。私は、「精神に少し問題のある人かな」と少し気味悪くなったとき、その人がいきなり
私の毛布に入り込んできたのです。そして私の耳元で、「寒いんです。入れてください。」とささやきながら
私の腕をつかみました。その手は異常に冷たかったです。私はびっくりして半身を起しその人を見ると、
その人は白い服を着たロングの髪の毛の女性でした。

でも無いんです。頭の右上3分の1位が、右目を含めて抉り取られたように。
そしてまた「寒いんです。・・・・」と左目だけで私を見ながらつぶやくのです。私は一瞬凝りついてしまって、
恥ずかしながら動けませんでした。それでもやっとの思いで、捕まれた手を振り解いて廊下に飛び出して
逃げました。

翌朝、父の事があるので私の家族にも病院の人にも、昨晩のことは言えませんでしたが、あれはこの
病院で無くなった方の幽霊だったのでしょうか。今でもあの目は忘れられません。

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