ひとり多い!

2006年8月30日
これは私が高校3年生の時、キャンプで体験したことです。
私は小学校の時からガールスカウトに入っており、毎年夏にはキャンプに行くのが
恒例となっていました。その年は参加者が少なかったため、いつもは別々のテントで
寝ていた中学生と私たち高校生が、一緒のテントで寝ることになりました。
テントは10人用で、私を含め7人のスカウトと全員のリュックサックをおいて丁度いい
くらいの広さでした。

夜になり寝袋をひいて中に入り、コワイ話や学校の話などしてるうちに、ひとり寝、
二人寝してゆき、とうとう全員が寝に入りました。そのときは私も昼間の設営など
の疲れが出て、さっさと寝てしまいました。

しかし、夜中に寝苦しさを覚えふと目をあけて見ると、なにかテント内が異様なのです。
どうだったとうまく言えませんが、寝たときとは少し様子が違うのです。
「(…おかしい…?)」
テント内にはみんなの寝息とともに、寝袋のすれる音のみが聞こえていました。
「(…みんな寝てるよな…?)」
点検のつもりで、頭を少し上げてグルーっと見まわしてみました。
そのときわかったのです!
「(げ、8人いる!!)」
私を含め7人のはずが、しっかり8人いるのです!何度数えても、どう見ても8人
いるではないですか!

テント内は管理人室からの明かりで、どうにか輪郭が見えるといった程度で、
見間違いかも知れないと思ったのと、リーダーか別の部門の子供が、ひとり間違え
て潜り込んだかどちらかだと思い、全員の顔を確かめようと、上半身をおこし
懐中電灯でひとりひとり顔を照らしていきました。7人並んで寝ていた中で私は
左の入り口から2番目だったので、右側から見ていきました。
しかし二人の顔は確認できましたが、あとはすっぽり寝袋をかぶってたり、そっぽ
を向いていたりでよく見えなかったのでした。
すると私の左側に寝ていた唯一の子(中学生で、私の左にはこの子ひとりだけ)が、
大きな目を開けて私を見ていたので、思わず叫びそうになってしまいました!

「(うわっ!!)」
すると彼女が小声で、
「ねえ…」と言うので、
「…ビックリした…!?起きてたの?」と聞くと、
「うん…。だってさっきね、なんかチーってチャックの音がしたから、起きちゃったの。」
と言うのです。
「え?リーダーかな?」
「わかんない…。」

彼女は少し怖がって緊張気味だったので、私の右側にいる6人を思いっきりたたき起こして、
正体を暴いてやろうかと思いました。そして、ふっと右側を見てびっくりしました。

「(あれ?)」
そうです。5人しかいなかったのです。
「(あれ?!ひとり減ってる!)」

私の見間違いだったのか?それとも本当に別の何かがいて…?
しかし、ここで彼女に説明するとよけい怖がってしまうと思い、
「大丈夫、もう寝よ」
といって寝袋におさまりました。

次の朝になって、当番がテント内の掃除をはじめました。するとひとりのスカウトが
「これ、落し物なんですけどー」
見てみると、名前の書いていないキャンプハットでした。
「どこにあったの?」と聞くと、
「私たちのテントの中です」というので、全員調べましたが、全員名前の書いた
キャンプハットを持っていました。念の為、他の部門やリーダー、父兄の人にも
聞きましたが、誰も該当者がいないのです。
ついでに昨夜、誰か見まわりに来たか聞きましたが誰一人、テントのそばにさえ
来ていないと言うのです。ましてや、チャックを開けて見るなど…。

キャンプハットはキャンプが終わるまでに、どこかへなくなってしまいました。
上の人が保管しているのかも知れません。
今思えばチーっというチャックの音は、すでに誰かが中に入り、内側から閉めた
音かもしれません.....。

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