人民帽をかぶった男

私が都内私立の女子高に通っていた時のことです。
なぜかこっくりさんが異様にはやりだし、毎日放課後に残って仲の良い友達7人で、
日が暮れるまでやりふけっていました。普通なら、「この子絶対に指動かしてる」と
いうような仕草があれば、10円に指を乗せている他の子が気付くはずなんですが、
私達の場合、全然怪しい子がいなくて
「ホントにこっくりさんが来てるのかな…？」という感じで、とても怖かったのを覚えて
います。

こっくりさん自体には問題なく、来て質問に答えて帰るの繰り返しでしたが、ある日、
こっくりさんが終わって帰ろうと、動かした机を元に戻していると、通りに面した窓側の
カーテンが30センチほど開いているのが見えました。
「おかしいな」と思い、近寄ってピッチリ閉めようとしたその時です。教室は3階だ
というのに、窓の一番高いところの外側から、紺色の人民帽をかぶった顔色の悪い
男が、ぎょっとこちらを見ていたのです！！その男は白目をむいており、教室内の
様子を一瞬にしてうかがったのです！！
（頭と一緒に白目の目線を右から左へぐーっと見まわしたというか…）

私は「きゃーーーーーー！！！！！！」っと絶叫し友達のほうにかけよると、偶然
その友達も何かがいたのを一瞬見たようでした。
「見た、私も！！なんかいた！！」
しかし、他の5人は見ておらず、目撃したのは私とその友達だけでした。
半べその私とその友達で、それがどんなだったか説明したとたん、
「う、うそでしょ〜？！」とみんなパニックになり、逃げるように教室を出ていき
ました。その後、こっくりさんをしようと言う人はいませんでした。

それから私が授業中居眠りしてしまうと、誰かに思いっきり頭を殴られて目が
さめるということが、何度も起きるようになりました。周りを見ても誰かがやった
という形跡がないのです。みんな必死にノートをとっていて…。

でも、殴られた感触が痛みとして残っているのですよ…。