櫻  

2006年8月27日
櫻の根本には死体があるといわれます。だから、あんな色の花が咲くのだと。
子供の頃に聞いた怖いお話でした。でも、櫻はなぜ散り急ぐのでしょう。
春なのに。
高校3年の時です。
私は工業高校だったので、大学受験には無縁ののんびりとした高校生活を送っていました。
通学途中に櫻の古木がありました。樹齢はわかりませんが、かなり大きな樹でした。
じじくさいと思うでしょうが、私は樹木は好きです。その下を通るのが通学コースでした。

櫻の花が終わる頃、櫻の木に激突した車がありました。
運転手の生死は車の
損傷からして想像できました。なぜか、樹の方はほとんど損傷はありませんでした。
ただ、べったりとついた血の跡以外は。

それから数日後、櫻が咲いたのです。葉櫻だったのに、満開になりました。
いつもより濃いピンク色でした。血の跡は消えていました。
そして、すごい悪寒がしたことを覚えています。

今年も春がきました。その櫻も満開でしょう。
私には見えます。櫻の根本には人の顔が浮いていることを。

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