横浜線のS駅より私の家までは歩いて15分弱。
駅前の小さな商店街を抜け、後は雑木林(時々タヌキが出没したりもします)と寺の横を通り、住宅街に出ます。
自転車で5分ちょっとで家に帰れるので、今までは何の変わったことも起きたことはなかったのですが...。

その日は朝は晴れていたものの、夜になり雨降りとなったため、自転車を駐輪場に置いたまま仕方なく傘をさして歩き出しました。
時間ははっきり覚えていませんがそれほど深夜ということもなく、午後11時頃だったと思います。

夜遅く寂しい道を歩いているときって、後からついてくる人の足音とか結構気になりますよね。
歩調の早い人に後ろからついてこられると何だかのんびり歩けないタチで、こちらも早歩きになってしまい嫌なのですが、歩道もろくに無い道をずっと歩くので、仕方なく歩調を早めたりしています。

私は霊的なものに非常に興味はあるものの、体験は全くなにもなし。
金縛りですら大昔に1回あっただけです。

最初は駅から10名ぐらいで歩きだすのですが(反対側の出口は大勢降りるのですが、私の利用している出口は夜遅くはこんなもんなのです。)、路地に差しかかると、一人減り二人減り、大体最後は私だけになってしまいます。
その晩も私の後ろに2、3人ついてきていたのですが、じきにどこかへ曲がったのか、ついてくる足音は途中で消えていました。
雨のしとしと降る音だけを聞きながらしばらく歩くと、また新たについてくる人がいます。
「ああ、やっぱりまだいたのか」
あえて後ろを確認することもなくそのまま5分ほど歩き続けたのですが、だいぶうしろに接近してきたので、途中のT字路があるやや道が広くなる所で、私は道の反対側へ渡ってしまいました。
どんな奴がついてきていたのか振り返り確認したら、15〜18歳くらいの少年でした。

目と目がビシッと合い一瞬笑った風な感じがしたので、「気持ちの悪いやつだなァ」と思った私はわざと歩調をゆるめ、彼を先へ行かせようとしました。
私の反対側(先程書いた雑木林に差しかかっています)を歩く「彼」がまさに私と車道を挟んで並ぼうというとき(自分のさしている傘ごしに横目で彼の足をハッキリ確認したので横には来ていたはずなんです)、あとかたもなく消えてしまいました。

考えられることはその雑木林ですが、タヌキは入れても人は入れるようなところじゃないし、そんな夜に入らないでしょう。普通の人は。
それに不思議なのは瞬間的にいなくなってしまったんですから。
まわりも見渡しましたが、もちろん人影はどこにもありません。

ただ特別この時点では???という感じで恐怖心もそんなに感じなかったので、そのままゆっくり歩いて家まで帰りました。
家に着いて、妻にとくとくとその事を話したのですが、ひとこと...「タヌキに化かされたんじゃないの?」
日本昔ばなしじゃないんだっての!

今でも雨の晩は同じ道を歩いて帰っているのですが、今度また合ったときには走って逃げたいと思います。

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