白蛇

2006年8月13日
白蛇と言うと何か神聖なものを感じます。
なにか触れてはいけないものを守っている印象があります。
今回は怖いと言うよりも不思議な出来事です。

私が大学生の頃でした。
私の家は小高い丘を削って住宅地にした所にあります。
その一角に、少し日当たりの悪い住宅地があったのです。
坂が多いので全体的に日当たりは良いのですが、そこはなぜか太陽が半日しか当たらないのです。
その一角は家が10軒ほどありました。

私は休日の早朝、その住宅の近くで白蛇を見たのです。
そんなに大きな蛇ではありませんでした。
40センチもなかったと思います。
見た瞬間、やばいと思いました。
これは蛇ではない、何か別の物だと直感しました。
怖くて立ち去ろうとしてもなぜか蛇の後を付いて行ってしまうのです。
蛇は私の方を振り向いては進んで行きました。

やがて、その住宅の中でも更地の所に入っていきました。
更地の奥には石垣があり、湿気の多い所です。
蛇は石垣の隙間に入っていきました。
蛇は入る前に一度振り向き、ふっと笑ったように見えました。
ただ、それだけだったのに全身に鳥肌がたったことを覚えています。

その後、蛇の消えた住宅地からは、一軒二軒と引っ越す人が増えていきました。
わずか数年で10軒あった家は、4軒しか残りませんでした。
それも、引っ越すと同時に更地です。
別に不幸が続くとかお化けに悩まされてと言うわけではないのです。
様々な都合で立ち去らざるを得ない状況になるようです。
地上げかとも思いましたが、いつまでたっても建物を建てる様子はありませんでした。

現在は、さらに減って2軒しかありません。
その2軒も老夫婦だけで、数年後はわかりません。
日当たり以外はいい土地なのに誰も建てない。住まない。
更地だらけの一角になりました。

今年87歳になる祖母はその土地は神社の社の一部だったと言いました。
現在も神社はありますが、本当に小さな土地に押し込められています。
蛇が消えた石垣からは、だいぶ離れていますが、一種の霊道のようなものがあるのかもしれません。
道を邪魔する家は排除すると言うことでしょうか。

今日も更地の住宅地の前を通って仕事に出かけます。
蛇が笑った瞬間は今でも鮮明に覚えています。
何が言いたかったのでしょう。
それを考えると少し怖い気がします。

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