新聞配達
2006年8月10日午前3半頃に広告を差込み、分担の新聞を自転車に積み込んで配達に向かうのは4時過ぎ。
まだ朝早い時刻なので、家々の雨戸はしまっており、時折聞こえるのは犬の鳴き声だけ。
そんな中、あるアパートの2階、暗い廊下の中程、薄らと明かりの点いている部屋があります。
廊下に面している台所の明かりらしく、格子の付いた窓の向こうに鍋や食器洗剤が擦りガラスに、透けて見えました。
早起きの人はいるので、その時は特に気にせずドアに付けられたポストに新聞を入れ、先を急ぎました。
次の日、またその部屋に配達に行くと又、明かりが点いています。
次の日も、またその次の日も。
何日かそんな日が続き、ある朝いつもの様に新聞をドアのポストに入れようとすると、入りません。
見ると新聞の他にも郵便物があふれています。
部屋の明かりは今日も窓から漏れています。
その時その窓が少し開いているのに気付き、悪いとは思いながらも、中をのぞきました。
すると台所の奥の部屋、おそらく居間と思われろ部屋に立っている人の足が見えました。
その場は新聞をドアの前に置き次ぎに向かいました。
すると又次の日も新聞が入りません。それどころか配達物を取り込んでいないらしく、部屋の前に散乱していました。
部屋は今日も明かりが点いており、窓も同じように少し開いています。
さすがに妙に思い、又中をのぞくと昨日と同じ様に奥に足がみえます。
向きや位置もまるで昨日と同じに......。
その時ある考えが頭をよぎり、1階の大家さんの部屋へ走りました。
眠い目を擦り出てきた、初老の大家さんにわけを話し、部屋を見るよう言いました。
次の日、その部屋のポストは空になっており、新聞は楽に入りました。
ただポストの上、ドアの正面には喪中の張り紙が貼ってありました。
そうです、私は毎朝首吊り自殺者に、決して読まれる事の無い新聞を配達していたのです。
そして、その朝配達した新聞にはその自殺者の記事がのっていました。
まだ朝早い時刻なので、家々の雨戸はしまっており、時折聞こえるのは犬の鳴き声だけ。
そんな中、あるアパートの2階、暗い廊下の中程、薄らと明かりの点いている部屋があります。
廊下に面している台所の明かりらしく、格子の付いた窓の向こうに鍋や食器洗剤が擦りガラスに、透けて見えました。
早起きの人はいるので、その時は特に気にせずドアに付けられたポストに新聞を入れ、先を急ぎました。
次の日、またその部屋に配達に行くと又、明かりが点いています。
次の日も、またその次の日も。
何日かそんな日が続き、ある朝いつもの様に新聞をドアのポストに入れようとすると、入りません。
見ると新聞の他にも郵便物があふれています。
部屋の明かりは今日も窓から漏れています。
その時その窓が少し開いているのに気付き、悪いとは思いながらも、中をのぞきました。
すると台所の奥の部屋、おそらく居間と思われろ部屋に立っている人の足が見えました。
その場は新聞をドアの前に置き次ぎに向かいました。
すると又次の日も新聞が入りません。それどころか配達物を取り込んでいないらしく、部屋の前に散乱していました。
部屋は今日も明かりが点いており、窓も同じように少し開いています。
さすがに妙に思い、又中をのぞくと昨日と同じ様に奥に足がみえます。
向きや位置もまるで昨日と同じに......。
その時ある考えが頭をよぎり、1階の大家さんの部屋へ走りました。
眠い目を擦り出てきた、初老の大家さんにわけを話し、部屋を見るよう言いました。
次の日、その部屋のポストは空になっており、新聞は楽に入りました。
ただポストの上、ドアの正面には喪中の張り紙が貼ってありました。
そうです、私は毎朝首吊り自殺者に、決して読まれる事の無い新聞を配達していたのです。
そして、その朝配達した新聞にはその自殺者の記事がのっていました。
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