長い階段  2

2006年8月7日
ヒゴ作はね、両親をくだらない用事で追っ払って、一人で待ってたんだよね、すると、、
「コンコンコン」
「きさくべえ?、、、きさくべえか?」
そうヒゴ作が、ドアに向かって言った時、、突然ドアが開いたんだよ。そこにね、、、、
死人のように青ざめた顔したきさくべえが居たんだよ、、、
ヒゴ作、それ見てたまげてね
「き、きさくべえどうした!!顔真っ青だぞ、」
そうヒゴ作が言うとね、きさくべえはぶるっと震えるとね、しゃがれたような声で言ったんだよ
「なんか外が寒くてな、凍えるようだ」
そう言うと、よろけたんだよ
「大丈夫か、火にでも当たれ、きさくべえ」
そう言うと、よろけるきさくべえを抱えて、ヒゴ作は、たき火に連れてったんだよ、きさくべえはそこに腰を下ろすと、じっと炎を見てたんだって、ヒゴ作がだいじょぶかと聞くと
「ああ、何とか暖まってきたよ」
て言ったんだよね
ヒゴ作が見ると、青かった顔は元の顔になってたって、、、ただおかしいことに、その目はやけにギラギラしてたそうだよ、、何か異様な雰囲気が、きさくべえから漂ってきたんだよね、、ヒゴ作は、努めて平静を装って
「そんなに寒いなら、今日は止めにしとくかい」
と言うと、きさくべえは首振って言ったんだよね
「ああ、それならさっきまでビュウビュウ吹雪いていたけど、もう止んだから大丈夫だ、行くなら今だぞ、明日明後日は、いないそうだから、さ、行かねえかい」って言ったんだよね、
なにかヒゴ作は何かおかしいと思ったんだけど、気持ちとは裏腹にこう言ったんだよ
「外、、見てきても良いかい」
「良いけど、、、もう止んだからな」

そういってたき火の側にきさくべえは近寄ったんだ、ヒゴ作は、戸を開けて見ると、風なんか少しも無かったって、その時、さっき感じた奇妙な感じの原因が思い当たったんだよね
そんなに吹雪いていたなら、何で音がしねえんだ?ヒゴ作は、不思議に思うと、きさくべえを見たんだよね、、
きさくべえは、平然とした顔でたき火に当たっていたけど、不思議な事が一つ有ったんだよね、、、
こんなに、たき火の側に寄っていると言うのに汗を少しもかいていなかったんだよ。不思議だね、、、

ヒゴ作はいよいよ気味が悪くなっちゃてさ
今日は止めよう、また吹雪くかもしれんと、言おうとしたんだよ、でもヒゴ作の口は本人を裏切って、、、
「確かに吹雪いていなかったな、早く行きたいとこだけど、行く前に着替えとくから、外で待っててくれや」、、って言っちゃった、、、
そのヒゴ作が、会いたいって言った人はね、山を更に奥深く分け入った所に住んでたんだって、、、
黄昏時の山って言ったら、それはそれは、薄気味悪いもんだよ、貴方も今度行ってみたら良いと思うな。何かに会えるかもしれないよ、、、

薄気味悪いなあ、ヒゴ作はそう思いながら、鬱蒼とした、山の中を歩いていったんだよ
その時、遠くの方から

「カサササ、カササ」

って、、何かの音がしたんだよね、ヒゴ作はびくっとして、思わず昼頃会ったヘビの事を思い出しちゃったんだよ、、ヒゴ作が身震いすると、それをきさくべえは、口元に笑みを浮かべながら見てたんだよね、、なぜきさくべえはそれがおかしかったんだろうかな
そんな事にも気ずかず、ヒゴ作は、早いとここんな薄気味悪い場所から出て、帰りてえなあって思っていたんだよ、その時、、

開けた場所に出て、、、
周りを木に囲まれて、、、有ったんだよ
家とも言えないような、掘っ建てと呼ぶにふさわしい家がね、、、、

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