長い階段 3
2006年8月6日・・・唖然として、ひご作はその家を見てたんだよね、こんな今にも崩れそうな家に住んでるなんて言われたんだもの、、違う家かと思ったひご作は、きさくべえの方を振り返って言ったんだよ。
「きっ、きさくべえ、ほ、本当に、こ、この家が彼女の住んでる家か?」
そして、ひご作が振り返ると・・・
きさくべえは、影も形も無かったんだ・・・
一人、ひご作は取り残されてたんだよね、
こんな暗い森に・・・
何かが潜んでいるような気配がするのは、気のせいかな、振り返るとほら、そこに、、
お、おら、こんな所に一人で居られねえ・・
そう思ったひご作は、一目散にそのみすぼらしい家に駆けていったんだよ・・・
ひご作は、倒れてきそうな木の扉の前に立つとね、何て挨拶するかじっと考えたんだよ。
そして、大きく深呼吸すると
「夜分遅くにすまねえが、おらは神渡り村のもんだ、有る用事でここに来たんだが、迷って困ってる、玄関に居るだけでも良いで、良かったら入れてくれねえか」
と、聞き取れないような、か細い声で言ったんだよね・・・その返事は・・・
「ヘッヘッヘッヘッヘッヘッ」
不気味な笑い声が、奥から聞こえたんだよ・・
ひご作が、ビクッとするとね、更に追い打ちをかけるように
「お前さん、良く来たねえ、ヘッヘッヘッヘッ、良いから上がっておいで、悪いようにはしないから、ヘッヘッヘッヘッ」
と、聞こえたんだよ・・・
ひご作は、強張った顔をして、じっと立っていたんだけどね、首を振って観念すると、入って行ったんだ、深い穴蔵のように、ぱっくりと口を開けてる入り口を・・・
思ったよりその家は、酷い場所じゃなかった、外見の酷さとは裏腹に、中は生活の香りと、イグサの香りと、木の匂いで満ちていた
入って見て、ひご作がびっくりしたのは、そこに、2人の女性が居たからだ。
一人は、ボサボサの髪をして、ろくに清潔にしたことも無いような婆さんだった、これにはひご作は驚かなかった、あんな風に呼んだんだから、到底まともな人とは思えなかったからだ、婆さんは、時々くすりと笑う癖が有った。
それがひご作には不気味に思えて仕方が無かった。
ひご作の目を釘付けにしたのは、もう一人の娘だった・・婆さんの話によると、彼女は、血縁らしいが、ひご作の目にはとても信じられなかった、彼女は、きさくべえの話どうり、目の覚めるような美人だった。
ひご作が思わず名前を聞くと、彼女はうつむいた・・ひご作は、娘が恥ずかしくて答えないのかと思っていたが・・・
やっと言った所によると名前はお絹と言った。
その後、婆さんの勧めで、飯も食べて行く事になった・・・・意味も無く笑う婆さんが気になったが、この娘の手前、我慢していた。
お風呂も、、とポツリと婆さんが言ったが、手厚く辞退すると・・・・・
「ファァァアア、そろそろ眠いべ」
そういってひご作は伸びをしたんだ、
知らないうちに疲れがたまってたんだと思う、
不思議とおどおどする娘に、布団を敷かれると、そのまま死んだように寝たんだよ。
ひご作が不意に起きたのは・・・夜もふけた頃だったんだよ、ひご作は何回かまぶたをパチパチした後、又寝ようとしたんだけど・・・
寝られないんだよ、今日あった騒動を思い出すとね・・突然出会ったヘビの事や、きさくべえの様子がおかしかった事、突然影も形も見えなくなった事、その中でひときわひご作が怖いと思うのは、なぜかあの婆さんの押し殺したような笑いだったんだよ・・・
ひご作は、このまま目をつぶっていても取り越し苦労だと思って、色々考えたんだよね、
ああー、全く気味の悪い婆さんだ、あんな婆さんが居ると知ってたなら、わざわざ来なかったべなあ・・、明日きさくべえに会ったら、しっかり謝って・・・娘を10人紹介してもらわんと、割が合わん・・でも、あの娘奇麗だったなあ、あんな奇麗な子は、村には居らんなあ・・・・また、寄って見るのもええかもしれん・・・
・・だけどなあ・・・
「スルスル、、、、スルスル、、、、」
その音でひご作の考えは、不意に中断したんだよ・・・
ありゃ?何の音だ?こんな夜中に・・・
気になったひご作は、布団を跳ね除けて、耳をそばだてて見た・・・隣の部屋から聞こえてくる・・・その鈍い音は、休むことなく続いていた・・・聞いているうちに、ひご作は背筋が寒くなっていったんだよ・・・その音は、なにかが、這いずっている音のようにも聞こえたんだ、、
その音に耐え切れずに、ひご作は枕で耳をふさいだんだ、そんなひご作を嘲笑うかの様に、音は段々と、、大きくなっていったんだ・・
そして・・ひご作の前に・・障子越しに、何かの影が・・・
ひご作はそれに視線を釘付けにしたまま動けなかったんだ・・・それに追い打ちをかけるようにして・・障子は無情にも開いていった・・
そこに・・影と重なるようにして薄ら笑いを浮かべる婆さんが居たんだ・・
「きっ、きさくべえ、ほ、本当に、こ、この家が彼女の住んでる家か?」
そして、ひご作が振り返ると・・・
きさくべえは、影も形も無かったんだ・・・
一人、ひご作は取り残されてたんだよね、
こんな暗い森に・・・
何かが潜んでいるような気配がするのは、気のせいかな、振り返るとほら、そこに、、
お、おら、こんな所に一人で居られねえ・・
そう思ったひご作は、一目散にそのみすぼらしい家に駆けていったんだよ・・・
ひご作は、倒れてきそうな木の扉の前に立つとね、何て挨拶するかじっと考えたんだよ。
そして、大きく深呼吸すると
「夜分遅くにすまねえが、おらは神渡り村のもんだ、有る用事でここに来たんだが、迷って困ってる、玄関に居るだけでも良いで、良かったら入れてくれねえか」
と、聞き取れないような、か細い声で言ったんだよね・・・その返事は・・・
「ヘッヘッヘッヘッヘッヘッ」
不気味な笑い声が、奥から聞こえたんだよ・・
ひご作が、ビクッとするとね、更に追い打ちをかけるように
「お前さん、良く来たねえ、ヘッヘッヘッヘッ、良いから上がっておいで、悪いようにはしないから、ヘッヘッヘッヘッ」
と、聞こえたんだよ・・・
ひご作は、強張った顔をして、じっと立っていたんだけどね、首を振って観念すると、入って行ったんだ、深い穴蔵のように、ぱっくりと口を開けてる入り口を・・・
思ったよりその家は、酷い場所じゃなかった、外見の酷さとは裏腹に、中は生活の香りと、イグサの香りと、木の匂いで満ちていた
入って見て、ひご作がびっくりしたのは、そこに、2人の女性が居たからだ。
一人は、ボサボサの髪をして、ろくに清潔にしたことも無いような婆さんだった、これにはひご作は驚かなかった、あんな風に呼んだんだから、到底まともな人とは思えなかったからだ、婆さんは、時々くすりと笑う癖が有った。
それがひご作には不気味に思えて仕方が無かった。
ひご作の目を釘付けにしたのは、もう一人の娘だった・・婆さんの話によると、彼女は、血縁らしいが、ひご作の目にはとても信じられなかった、彼女は、きさくべえの話どうり、目の覚めるような美人だった。
ひご作が思わず名前を聞くと、彼女はうつむいた・・ひご作は、娘が恥ずかしくて答えないのかと思っていたが・・・
やっと言った所によると名前はお絹と言った。
その後、婆さんの勧めで、飯も食べて行く事になった・・・・意味も無く笑う婆さんが気になったが、この娘の手前、我慢していた。
お風呂も、、とポツリと婆さんが言ったが、手厚く辞退すると・・・・・
「ファァァアア、そろそろ眠いべ」
そういってひご作は伸びをしたんだ、
知らないうちに疲れがたまってたんだと思う、
不思議とおどおどする娘に、布団を敷かれると、そのまま死んだように寝たんだよ。
ひご作が不意に起きたのは・・・夜もふけた頃だったんだよ、ひご作は何回かまぶたをパチパチした後、又寝ようとしたんだけど・・・
寝られないんだよ、今日あった騒動を思い出すとね・・突然出会ったヘビの事や、きさくべえの様子がおかしかった事、突然影も形も見えなくなった事、その中でひときわひご作が怖いと思うのは、なぜかあの婆さんの押し殺したような笑いだったんだよ・・・
ひご作は、このまま目をつぶっていても取り越し苦労だと思って、色々考えたんだよね、
ああー、全く気味の悪い婆さんだ、あんな婆さんが居ると知ってたなら、わざわざ来なかったべなあ・・、明日きさくべえに会ったら、しっかり謝って・・・娘を10人紹介してもらわんと、割が合わん・・でも、あの娘奇麗だったなあ、あんな奇麗な子は、村には居らんなあ・・・・また、寄って見るのもええかもしれん・・・
・・だけどなあ・・・
「スルスル、、、、スルスル、、、、」
その音でひご作の考えは、不意に中断したんだよ・・・
ありゃ?何の音だ?こんな夜中に・・・
気になったひご作は、布団を跳ね除けて、耳をそばだてて見た・・・隣の部屋から聞こえてくる・・・その鈍い音は、休むことなく続いていた・・・聞いているうちに、ひご作は背筋が寒くなっていったんだよ・・・その音は、なにかが、這いずっている音のようにも聞こえたんだ、、
その音に耐え切れずに、ひご作は枕で耳をふさいだんだ、そんなひご作を嘲笑うかの様に、音は段々と、、大きくなっていったんだ・・
そして・・ひご作の前に・・障子越しに、何かの影が・・・
ひご作はそれに視線を釘付けにしたまま動けなかったんだ・・・それに追い打ちをかけるようにして・・障子は無情にも開いていった・・
そこに・・影と重なるようにして薄ら笑いを浮かべる婆さんが居たんだ・・
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