赤い目

2006年8月2日
ある日の夜、女の人がタクシーをひろいました。
その女の人はとてもきれいな人で、真っ白のワンピースを着ていて、髪の長い人でした。
髪が少し顔にかかっていたので髪で顔がすこしかくれるのですが、よくみれば、ものすごくきれいな顔立ちをしているのでした。

タクシーの運転手は、「あ、きれいな人だなぁ」とうれしくなり、いろいろと話しかけたりして、その人をあるアパートまで乗せました。

2週間くらいたったある日の夜中に、おなじタクシーがまたその女の人をひろいました。
とてもきれいな女の人だったので、運転手もよく覚えていたのです。
女の人は、また同じアパートまで乗ると、彼女の部屋と思われる、2階の部屋へと急いで帰っていきました。

タクシーの運転手は、彼女がとてもきれいだったので、彼女の部屋へいってみることに。

そのとき、彼女の部屋のとなりから若い女の子がでてきたので、その子に、彼女のことを聞いてみました。男の人があそびにくるのかとか、仕事は何をしているのかとか。とにかく、彼女の事を知りたかったのです。

その女の子は、割と彼女と親しいらしくて、いろいろと話してくれました。
彼女は、白い色が好きだということ。服も白しかきないし、部屋も一度だけ入ったことがあるが、全部白で統一されてたこと。そして、今は彼氏はいないこと。

運転手はうれしくなりました。「俺にも可能性アリ・・?」
そんな運転手の様子をみていた女の子は、少し声をおとして、静かに言いました。

 「でも、あの人、目が赤いんだよね・・」

運転手は驚きました。
でも、彼女の美しさは、群をぬいていたので、目が赤いくらい、どうってことないさ。奇麗な人だもの。
運転手は、そう思いました。

さて。隣の女の子と別れ、いよいよ彼女の部屋にいってみることに。
玄関ドアの横には、小さな窓があり、白いカーテンがかけてありましたが、すこしすきまがあったので部屋の様子がちらっと見えました。
白、白、白。あの子のいったとうり、部屋の中は白一色です。

そして、そのアパートは、少し古いものだったので、鍵の穴からも中が見えたのです。
よし。すこしのぞいてみよう。
運転手は、しゃがんで、鍵穴から見てみると、

鍵穴のむこうは、真っ赤でした。

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