これはうちの母親の話しです。
彼女は幼い頃から癇の虫が強く、生まれた頃、どこも問題ないのに泣きやまないことが多かったそうです。
その頃から、普通の人には見えない、何がが見えたのでしょうか?
この話は、彼女がお嫁に行って間もない頃に起こります。

専業主婦だった彼女は、早々と家の家事をすませて昼下がり、ソファに少し横になりながらテレビを見ていました。ワイドショーか何かでしょう。たいして集中もせず、画面を見つめていると・・・まず、スーッとテレビの音が聞こえなくなったのです。あれ?おかしいな?と思ったとたん身体が硬直し、金縛りにあったことが分かったそうです。
そして今度はテレビの画面がスーっと白くなっていったのです。ここで彼女はあわてて身体を動かそうとしますがビクともしません。
次第にあたりが暗くなり(昼間だというのに!)そのうちに真暗闇に包まれてしまいました。

そして、何かが聞こえるというのです。何か、無数の甲高い声が・・・
そしてその暗闇をよーく見ると、無数の赤く光る目があたり一面に。
そう、耳元で聞こえる無数の声はきつねだったんです!
このままでは殺されてしまう!そう感じた彼女は力一杯「きゃー」と叫びました。
すると今まであった暗闇は一瞬のうちに消え、テレビの画面がゆっくりと戻り、音もゆっくりと戻りました。
ただならぬものを感じた彼女は急いで実家に電話をしました。
「お母さん、今きつねが出たよ」と・・・。
そしてその日の夕方、電話のベルが鳴り、彼女が出てみるとそれは実家のまだ中学生の弟からでした。
「姉ちゃん、ごめん。母さんから聞いたよ。・・・実は俺、昨日学校帰りに近道をしたとき近くのおいなりさん、倒したまんまなんだ。」
そう、あのきつねはおいなりさんが出てきたものなのです。
遠く離れた彼女のところに「もとに戻せと」出てきてしまったようです。
次の日、油揚げをもって、お参りに行ったそうです。

きつねもわざわざ霊感の彼女のところまで、出張で出てくるなんて大変ねぇ。
という話でした(笑)。

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