電話の声

2005年12月11日
6年ほど前のある晩、友達と電話をしていました。
その友達はつい2、3日前に親しかった先輩が自殺して亡くなったとひどくおちこんでいました。
その先輩の話をしたあと、私たちは普通の話にもどり、しばらくおしゃべりをつづけていました。すると、突然男の人の声が割り込んできました。とてもはっきりした声で、最初は混線したのかと思ったのですが、それにしてはとてもはっきりした声です。

”もしもし・・・” そうその男の声はいいました。
私達はなんだろうと思いお互い”もしもし? 聞こえる?”
と言い合いました。男の声は ”もしもし”を繰り返すだけで、ほかになんの反応もなく、4、5回ほど繰り返したあと、ぷつりと切れてしまいました。
”なんだろうね?”と聞いたところ、多分、その友達の家は親子電話なので、誰か男の家族が間違えて電話をかけようとしたんだろう、と言ったので、別にその時は気にもせず、電話を切りました。

その次の日、その友達から電話がかかってきました。

”昨日の夜、あの時間、家には親父も弟も兄貴も、男はだれもいなかったんだよ。”
”え?じゃ、あの男の声は?”

私の家には父親は単身赴任のためいないし、他に男の家族はいません。それよりも、聞いたことのない声でした。

友達がいいました。
”あの声ね、今思い出すと死んだ先輩の声にそっくりなんだよ・・・”

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