深夜の病院で聞こえる音
2005年12月5日私は霊感が特にあるという訳ではないのですが忘れた頃に決まって何か不思議な体験をします。
御紹介するお話は私が以前、腰椎を痛めて手術の為に入院してい際、体験したお話しです。
今から11年前、大学4年生だった私は就職活動時期にもかかわらず腰椎を痛めてしまい外出する事もままならず、アパートでごろごろしていました。
結局、あまりにも辛いので当時、その病院で医師をしていた叔父の紹介で横浜市にある公立の大学付属病院で手術する事になりました。
腰椎の手術という事で術後1週間は絶対安静という状態でベッドから起きあがることは勿論の事、寝返りさえしてはいけないと医師から言われました。
但し、首から上だけは動かして良いというのでつまり、体のほとんど仰向けの状態でおりました。
そんなある日の晩、消灯後の病院の外では恐らく暴走族まがいの単車が数台走っているらしく病院の周辺でやかましい排気音が聞こえてきました。
『やかましい奴らだ!事故ってしまえ』などと悪態を吐いていました。
恐らく週末の土曜日とあって、うかれた連中が単車で走り回っているのだろうと思いながらうとうとと寝てしまいました。
それからしばらくして目が覚め、ベッドの脇に置いてある時計を見たところ午前1時00頃でした。
さっき、聞こえていた単車の排気音は既に聞こえず、その代わりに相部屋の入院患者さん達の寝息やいびきが聞こえました。
変な時間に起きてしまったので妙に目がさえてしまった私は何をするでもなく天井を見つめてぼーっとしていました。
それからしばらくすると、私が入院している整形外科病棟と外来棟とを連絡している渡廊下の方からひそひそと話す人の話し声とストレチャー(車輪付担架)の金属的なきしみ音が聞こえてきました。それはとても重苦しい雰囲気でした。
私の病室はその渡廊下に比較的近いせいかそれは注意を向けなくてもはっきりと聞こえてきました。
こんな時間に移動しているという事は事故で救急外来に運ばれて来て処置後の入院の為、病棟に移動してきたのだろうと思いました。
その時はひょっとして、先程やかましい排気音をたてて病院の近くを走っていた単車が事故でも起こして担ぎ込まれてきたのかな、などと等と考えました。
既に寝ている患者さん達に配慮してなのかひそひそ声だったので会話の内容迄は聞きとる事が出来ませんでしたが医師らしき男性の声と看護婦らしき女性の声と患者の付き添いらしき女性の声と合わせて少なくとも3人の声が聞こえました。そして、患者を乗せてきたのであろうストレッチャーのきしむ音が私の寝ている部屋の前まで来て止まりました。
ちょうど、私の向側のベッドが前々日に患者さんが退院して空いていたのでそこに収容するのだろうなと考えました。
体が動けないので起きて確認する訳にはいかず、また消灯後は間仕切りカーテンが敷かれているので見ることも出来ず、耳に入ってくる声や音で想像するより方法がありませんでした。
付き添いらしい女性はしくしくと泣きながらストレチャーのきしみ音と伴に部屋に入ってきました。
それからは不思議と医師と看護婦らしい声は聞こえてきませんでした。何故かその付き添いらしい女性のしくしくと泣く声しか聞こえませんでした。
それから暫くしてその女性はしくしくと泣きながら部屋を出ていってしまいました。
その女性が部屋を出た頃から、ぴたりと声も音も聞こえなくなりました。
その時には妙な雰囲気だと感じていましたがなるべく気にしないようにして、明日の朝にでも新入りさんを見ようと思い、いつの間にか寝てしまいました。
朝、目が覚めてベッドから間仕切りカーテンを長い棒で明けると向かいのベッドに収容されたはずの人がいません。昨日の昼間と同様にきれいに整理されたままです。
寝ている間に他の病室に移動されたのかと思っていると隣のベッドの人が起きてきて『お早うと』挨拶をされたので聞いてみました。『昨晩、空きベッドに誰か入院してきたよね?』
『俺は何も知らないけれど移動したんじゃねえか』と返答。
同室の他の患者さんにも聞いてみたけれど一様に知らないという返事。あの深夜の音は自分しか聞いていなかったのかと思い不思議がっていると隣の患者さんが朝の検温に来た当直だった看護婦さんに昨晩、救急外来に患者が来たか聞いたところとても静かな晩で救急外来もなければ緊急手術もなかったという事でした。
更に私の病室には当然、誰も患者は来なかった事。
では私が聞いていた声や音は一体なんだったのでしょうか。
暫くして隣にベッドに入院していた、長い入院生活の為に病棟の主のような人から聞いたのですが私が入院した病室の隣で奇怪な事が起こるので御祓いがあったそうです。
それが事実なのかそうでないのか解りませんが、あそこには何か起こる重い雰囲気があります。
私が退院後、知った顔の幾人かが悪性腫瘍や難病の為に亡くなっていきました。
そしてそのように亡くなっていった患者さん達が最後に収容される霊安室も私が入院していた病棟の地下の暗い廊下の一室にありました。
そんな経験をした9年後、私は仕事中の軽作業でギックリ腰になり、横須賀市にある公立の総合病院に入院しました。
やはりその病院で入院中にも目に見えない不気味な音が私を恐怖に襲いました。
その病院も消灯時間になると間仕切りカーテンが敷かれ他の患者さんの姿が見えなくなります。
その時も深夜1時頃に目が醒めてしまい早く寝直そうともぞもぞしていました。
ところが長い廊下の奥の方から誰かがスリッパを履いた足を引きずるような音を発てながら私の病室まで時間をかけ、ゆっくりと歩いて来たかと思うとなんと私の病室に入ってきました。
ひょっとしたら看護婦さんの見回りかなと一瞬思ったのですが看護婦さんならばペンライトを持ち歩き、患者の様態に変化がないかどうか1人1人、カーテンを少し開けて中を覗きこみます。その際には、その持ち歩いているライトの明かりがカーテン越しに見るので看護婦さんが見回りにきたな解りますが、その時、ライトの明かりは全く見えません。足を引きずるような音だけです。
また、看護婦さんはスリッパは履かずに決められたサンダルを履きます。そのサンダルの音とそのスリッパを引きずるような音は明らかに違います。
私は過去に経験した不気味な音と声の現象を思い出しました。
『不気味だ・・・怖い!』と思いました。
それからその侵入者はなんと私と隣の患者さんのベッドの境、つまりベッド脇くらいまで来ました。
『御願いだからどっかに行ってくれ!カーテンを開けないでくれ!』と心の中で叫びました。
その瞬間、私の隣の患者さんの間仕切りカーテンを勢いよくザーと開け放す音が聞こえました。
そして、その侵入者はその患者さんの様子を見ていたのか暫くは何の音も聞こえませんでしたが再び、カーテンを閉めるザーという音が聞こえたかと思うと、やはりスリッパを引きずるような音を発てながら来た方向と逆の方向にゆっくりと歩いてゆきました。
以前のような会話や泣き声は全く聞こえませんでした。
ただ、足を引くずる音・・・
私は恐怖感で朝までほとんど眠れませんでした。その翌日も・・・
看護婦さんでないことは間違いありません。
入院患者さんでもないと思います。
それは私の病室の斜め向かいには当直の看護婦2〜3名が詰めているナースステーションがあり、あんな時間に入院患者がうろうろしていたら注意をするかして病室に戻してしまうだろうからです。
深夜の病院は怖いものです。
この世に生きていない者達が歩き廻るから・・・
二度と入院はしたくありません。
また、あの音が聞こえてきそうだから。
そして、見てしまいそうだから・・・
御紹介するお話は私が以前、腰椎を痛めて手術の為に入院してい際、体験したお話しです。
今から11年前、大学4年生だった私は就職活動時期にもかかわらず腰椎を痛めてしまい外出する事もままならず、アパートでごろごろしていました。
結局、あまりにも辛いので当時、その病院で医師をしていた叔父の紹介で横浜市にある公立の大学付属病院で手術する事になりました。
腰椎の手術という事で術後1週間は絶対安静という状態でベッドから起きあがることは勿論の事、寝返りさえしてはいけないと医師から言われました。
但し、首から上だけは動かして良いというのでつまり、体のほとんど仰向けの状態でおりました。
そんなある日の晩、消灯後の病院の外では恐らく暴走族まがいの単車が数台走っているらしく病院の周辺でやかましい排気音が聞こえてきました。
『やかましい奴らだ!事故ってしまえ』などと悪態を吐いていました。
恐らく週末の土曜日とあって、うかれた連中が単車で走り回っているのだろうと思いながらうとうとと寝てしまいました。
それからしばらくして目が覚め、ベッドの脇に置いてある時計を見たところ午前1時00頃でした。
さっき、聞こえていた単車の排気音は既に聞こえず、その代わりに相部屋の入院患者さん達の寝息やいびきが聞こえました。
変な時間に起きてしまったので妙に目がさえてしまった私は何をするでもなく天井を見つめてぼーっとしていました。
それからしばらくすると、私が入院している整形外科病棟と外来棟とを連絡している渡廊下の方からひそひそと話す人の話し声とストレチャー(車輪付担架)の金属的なきしみ音が聞こえてきました。それはとても重苦しい雰囲気でした。
私の病室はその渡廊下に比較的近いせいかそれは注意を向けなくてもはっきりと聞こえてきました。
こんな時間に移動しているという事は事故で救急外来に運ばれて来て処置後の入院の為、病棟に移動してきたのだろうと思いました。
その時はひょっとして、先程やかましい排気音をたてて病院の近くを走っていた単車が事故でも起こして担ぎ込まれてきたのかな、などと等と考えました。
既に寝ている患者さん達に配慮してなのかひそひそ声だったので会話の内容迄は聞きとる事が出来ませんでしたが医師らしき男性の声と看護婦らしき女性の声と患者の付き添いらしき女性の声と合わせて少なくとも3人の声が聞こえました。そして、患者を乗せてきたのであろうストレッチャーのきしむ音が私の寝ている部屋の前まで来て止まりました。
ちょうど、私の向側のベッドが前々日に患者さんが退院して空いていたのでそこに収容するのだろうなと考えました。
体が動けないので起きて確認する訳にはいかず、また消灯後は間仕切りカーテンが敷かれているので見ることも出来ず、耳に入ってくる声や音で想像するより方法がありませんでした。
付き添いらしい女性はしくしくと泣きながらストレチャーのきしみ音と伴に部屋に入ってきました。
それからは不思議と医師と看護婦らしい声は聞こえてきませんでした。何故かその付き添いらしい女性のしくしくと泣く声しか聞こえませんでした。
それから暫くしてその女性はしくしくと泣きながら部屋を出ていってしまいました。
その女性が部屋を出た頃から、ぴたりと声も音も聞こえなくなりました。
その時には妙な雰囲気だと感じていましたがなるべく気にしないようにして、明日の朝にでも新入りさんを見ようと思い、いつの間にか寝てしまいました。
朝、目が覚めてベッドから間仕切りカーテンを長い棒で明けると向かいのベッドに収容されたはずの人がいません。昨日の昼間と同様にきれいに整理されたままです。
寝ている間に他の病室に移動されたのかと思っていると隣のベッドの人が起きてきて『お早うと』挨拶をされたので聞いてみました。『昨晩、空きベッドに誰か入院してきたよね?』
『俺は何も知らないけれど移動したんじゃねえか』と返答。
同室の他の患者さんにも聞いてみたけれど一様に知らないという返事。あの深夜の音は自分しか聞いていなかったのかと思い不思議がっていると隣の患者さんが朝の検温に来た当直だった看護婦さんに昨晩、救急外来に患者が来たか聞いたところとても静かな晩で救急外来もなければ緊急手術もなかったという事でした。
更に私の病室には当然、誰も患者は来なかった事。
では私が聞いていた声や音は一体なんだったのでしょうか。
暫くして隣にベッドに入院していた、長い入院生活の為に病棟の主のような人から聞いたのですが私が入院した病室の隣で奇怪な事が起こるので御祓いがあったそうです。
それが事実なのかそうでないのか解りませんが、あそこには何か起こる重い雰囲気があります。
私が退院後、知った顔の幾人かが悪性腫瘍や難病の為に亡くなっていきました。
そしてそのように亡くなっていった患者さん達が最後に収容される霊安室も私が入院していた病棟の地下の暗い廊下の一室にありました。
そんな経験をした9年後、私は仕事中の軽作業でギックリ腰になり、横須賀市にある公立の総合病院に入院しました。
やはりその病院で入院中にも目に見えない不気味な音が私を恐怖に襲いました。
その病院も消灯時間になると間仕切りカーテンが敷かれ他の患者さんの姿が見えなくなります。
その時も深夜1時頃に目が醒めてしまい早く寝直そうともぞもぞしていました。
ところが長い廊下の奥の方から誰かがスリッパを履いた足を引きずるような音を発てながら私の病室まで時間をかけ、ゆっくりと歩いて来たかと思うとなんと私の病室に入ってきました。
ひょっとしたら看護婦さんの見回りかなと一瞬思ったのですが看護婦さんならばペンライトを持ち歩き、患者の様態に変化がないかどうか1人1人、カーテンを少し開けて中を覗きこみます。その際には、その持ち歩いているライトの明かりがカーテン越しに見るので看護婦さんが見回りにきたな解りますが、その時、ライトの明かりは全く見えません。足を引きずるような音だけです。
また、看護婦さんはスリッパは履かずに決められたサンダルを履きます。そのサンダルの音とそのスリッパを引きずるような音は明らかに違います。
私は過去に経験した不気味な音と声の現象を思い出しました。
『不気味だ・・・怖い!』と思いました。
それからその侵入者はなんと私と隣の患者さんのベッドの境、つまりベッド脇くらいまで来ました。
『御願いだからどっかに行ってくれ!カーテンを開けないでくれ!』と心の中で叫びました。
その瞬間、私の隣の患者さんの間仕切りカーテンを勢いよくザーと開け放す音が聞こえました。
そして、その侵入者はその患者さんの様子を見ていたのか暫くは何の音も聞こえませんでしたが再び、カーテンを閉めるザーという音が聞こえたかと思うと、やはりスリッパを引きずるような音を発てながら来た方向と逆の方向にゆっくりと歩いてゆきました。
以前のような会話や泣き声は全く聞こえませんでした。
ただ、足を引くずる音・・・
私は恐怖感で朝までほとんど眠れませんでした。その翌日も・・・
看護婦さんでないことは間違いありません。
入院患者さんでもないと思います。
それは私の病室の斜め向かいには当直の看護婦2〜3名が詰めているナースステーションがあり、あんな時間に入院患者がうろうろしていたら注意をするかして病室に戻してしまうだろうからです。
深夜の病院は怖いものです。
この世に生きていない者達が歩き廻るから・・・
二度と入院はしたくありません。
また、あの音が聞こえてきそうだから。
そして、見てしまいそうだから・・・
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