最終バス

2005年11月9日
僕に話しかけて来たのが、Y子でした。上目使いがとっても色っぽく、僕は彼女に少し気がありました。そして、僕は彼女と一緒に帰る事にしました。
その途中、たわいのない話から彼女は「Sさん彼女とかいないの?」と唐突に彼女は聞いてきました。「特にいないよ」というと彼女は積極的に僕とつきあいたいといいだしました。断る理由もなかったのですが、あんまり突然だったのでいい返事は出来ませんでした。
それからたわいもない話をして帰りながら、僕はてっきり、彼女は会社の近くの駅を利用していると思っていたのですが、バス通勤をしていたのです。僕は彼女をバス停まで見送りバスが走り出すまで見届けました。その時小さな恋の始まりを予感しました。

数日後、彼女から飲みにいきませんかと誘いがあり、一緒に行くとことにしました。
そのときに彼女はお酒をたくさん飲みました。その勢いで僕にこううち明けました。

「私、前からSさんが好きでした。もしこんな私でよければ.....」

色っぽい上目使いで彼女の2度目の告白でした。
僕も断る理由もなく心より受けました。
最終バスが来ると言うことで、寂しい思いを残し僕たちは店を後にしました。
彼女はバスに乗り込み僕にバスが小さくなるまで後部座席で小刻みに手を振っていました。

バスが彼女を乗せ出てしまうと、僕はこれからの二人の事を考えるとワクワクした思いで電車に乗り込み帰りました。
降りる駅に着きました。僕は、車両の一番端に乗ってしまったので、ホーム先端から階段がのびてるホーム中央まで歩いて行かなければなりませんでした。家路を急ぐサラリーマンやOLの姿があり、僕は最後に階段を上ればいいと思いゆっくり歩いていました。

すると、反対側のホーム端から見覚えのある姿が、Y子の姿がありました。
僕は不思議に思いましたが彼女が目の前にいるという事実が総ての考えを覆しました。彼女は

「あなたに逢いたくて、バスを留めて飛び降りちゃった」と・・。

しかし彼女の表情はあまりはっきりしません。すごくうれしかったのですが、僕は彼女に帰るように言い聞かかせ彼女は帰っていきました。

 夜中電話が激しくなり響き、彼女の死を知らせる電話がありました。
彼女はバス停で僕と別れた後に、後ろからぶつかってきたトラックと座席に挟まれ即死だったと言うことでした。彼女は僕にいつまでも手を振っていなければ、助かったのかも知れません。

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