古びたお守り

林寺という大変大きな寺が有り、何か願い事があるときや初詣には必ずその寺に行くんです。
本当の話ですが12才の頃から現在に至るまで初詣にお願いしたことは必ずかなっているんです。だからこそ、私も毎晩寝る前には必ず一日の感謝を込めて祈るんです。
その寺で購入した古びたお守りにも・・・。
私、大学時代にはすごく車が好きで時間があればドライブしていました。
ある夏の夜、地元で祭りがあったので久しぶりに友人に会う楽しみもあり、車で祭りへと向かいました。
その場では友人の親戚や近所の方々が集い酒を飲んでいましたが、当然「M君、君も飲みなさい！」ということに・・・。
酒は弱いんですがビールは勧められるまま数杯飲みました。
その帰宅途中です。その場所から実家までは2Kmくらいしかないのですが、家への途中の分かれ道で友人（祭りであっていた友人とは別）が乗っていると思われる車が家とは遠くなる方の分かれ道へと進んで行くのが見えました。
後を追いかけて話しでもしようと追走しましたが、途中で見失ってしまいました。
しょうがないと思い引き返し実家への帰路を急ぐと急に眠気が襲ってきたんです。（この日の前日にはバルセロナオリンピックがあり日本時間の夜中、平泳ぎで岩崎恭子が優勝したのを見てたので寝不足）飛ばしていたんで時速90Kmくらいはでてました。ふっと意識が消え、なんと夢まで見たんです。家で楽しそうに家族と話している夢を。しかし、夢の中では私は楽しい雰囲気の中一人泣いているんです。急に夢の中で思いました。私はどうやって家へ帰ったのだろう？

　その途端です。何かに当たりふわふわした感じでした。気がつくと真っ暗の中車のハンドルを握りしめて私が中に浮いてるんです。ぶつかる！！そう思い手足を踏ん張りました。わずか0.数秒の出来事でしたが何十秒にも感じられ昔のことも思い出しました。俺はもう死ぬのか・・・・。本気でそう思いました。ドシャーン！！すごい音がして車は大破しました。
けど、体は痛くないんです。あーあ、俺は死んだんだ・・。そう思いましたが途端に全身から血が出ました。あれ、生きてるんじゃ？そう、生きてたんです。
車が変形していたんでなかなか脱出できず、レスキュー隊に数時間後救助される大事故となりました。けれど痛くないんです。救急車で搬送され検査を行ったところ鼻の骨が折れていた程度で後は切り傷です。警察も医者も奇跡だといいました。

数時間後入院もせず実家へ帰りました。なんといつも感謝をお祈りしている私の古いお守りのヒモがちぎれているのです。私の実家の部屋は誰も使っておらず、母が掃除に入る程度です。また、お守りは高いところにあり、母の手が届く高さではありません。
私はお守りに守ってもらったんでしょうか？・・・